2020年10月27日

食育コラム「食べることは体を作ること」

千葉に住んで20年、市原市に嫁いで10年になります。ディズニーランドの花火が見える場所から、車がないと生活できず、開発もリーマンショックで滞っている平地に来たときは、途方にくれ、よく実家の母に電話で泣きついたものです。

いまだに車の運転は下手ですが、人生で一番健康な時間を過ごしていると感じます。あまり体が丈夫でなかった私が、昨年無事出産できたのも、土地の野菜を食べ、広い田んぼや畑に四季を感じ、地域の方々に気にかけていただいたからだと思っています。

千葉都民だった頃の私は、食にもあまりこだわりがありませんでした。真っ赤なトマトや、はち切れんばかりのナス、しっかりと巻かれた白菜やキャベツ、お菓子のように甘い玉ねぎ…それらよりも、夜景の見えるレストランに魅力を感じていました。年を重ねたこともありますが、あの頃の健康や栄養を無視した食生活で、よくやっていけたなあと思います。

今は旬の野菜や果物を箱買いし、カロリーはスィーツではなくお米で取るようになりました。発酵食品や乾物などにも興味が出て、すっかり所帯じみたなと感じます。でも、家族の身体や健康を支えていると考えると、この上ない充実感です。野菜を千切るだけでも、お米を炊くだけでも、それは変わりません。だってこの食べ物を選んだのは私だから。

食べることは体を作ることです。そして、食べ物を選ぶこともまた、体を作ることなのだと私は思います。

かげえり

かげえり
千葉に住んで20年、市原に来て10年。1歳女児の母であるとともに、フードコーディネーター、食育講師などをしている。

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